「妻とはもう終わっている」。既婚の相手との関係で、この言葉を聞いたことのある方は少なくないと思います。そして多くの場合、その言葉を聞いてから、状況はあまり変わらないまま時間が過ぎていきます。
この記事では、この言葉をどう受け取ればいいのか、そして「いつまで待つのか」をどう考えればいいのかについて書きます。
この言葉は、嘘とは限りません
「終わっていると言いながら、離婚しないじゃないか」。そう感じるのは自然なことです。ただ、この言葉が嘘だとも言い切れません。
夫婦の関係が実際に冷えていることと、離婚に向けて動くことは、別のものだからです。会話がほとんどない、寝室が別、何年も二人で出かけていない。そうした状態を指して「終わっている」と言っているのなら、それは事実を述べているのかもしれません。
問題は、その状態が続いていても、生活の枠組みそのものは動かないことがある、という点です。
「終わっている」と「離婚する」のあいだにあるもの
離婚は、気持ちの問題だけでは進みません。住まい、収入、子どもの学校、親族との関係、職場での立場。動かすとなると、これらすべてに手をつけることになります。
ご相談を伺っていると、「気持ちは離れているのに、生活は変えられない」という状態で止まっている方が多くいらっしゃいます。本人の中でも、その二つは矛盾したまま同居しています。
ですから「終わっている」という言葉を聞いたときに確かめるべきなのは、その言葉の真偽ではなく、生活の側に何か動きがあるかどうかのほうです。
とはいえ、それを問い詰めて確かめようとすると、たいてい言葉が濁ります。追い詰められた側は、その場をしのぐ答えを返しやすいためです。
待つこと自体は、悪いことではありません
「待つなんて時間の無駄」と言う人もいます。けれど、待つと決めたのがご自身の選択であるなら、それは無駄ではないと思います。
消耗するのは、待つこと自体ではなく、いつまで待つのか決まっていない待ち方のほうです。
期限がないと、毎回「今度こそ動くかもしれない」と期待して、動かないたびに落ち込むことになります。この上下を繰り返しているうちに、自分が何を望んでいたのかが見えなくなっていきます。
期限の決め方
おすすめしているのは、次のような決め方です。
- 相手には伝えない。伝えると期限が交渉の材料になり、相手を動かすための道具に変わってしまいます
- 日付ではなく、状況で決める方法もある。「あと1年」でもいいですし、「次に同じ約束が延びたら」でもかまいません
- 期限が来たら別れる、と決めなくていい。「そのときあらためて考え直す」でも十分です
期限を決めるのは、相手を動かすためではありません。あなたが自分の時間を、自分のものとして扱うためです。
不思議なもので、期限を決めた方は「決めただけで少し楽になった」とおっしゃることがあります。終わりの見えない状態そのものが、重さの正体だったということだと思います。
期限が来たとき
そのときに考えていただきたいのは、「彼が動いたかどうか」だけではありません。
この一年、あなた自身はどう過ごしていたか。楽しかった時間はどのくらいあったか。会えない日をどう使っていたか。そこに何も残っていないとしたら、それは相手の問題というより、待ち方の問題かもしれません。
逆に、待ちながらもご自身の時間が積み上がっているのなら、もう少し続けるという選択も十分にあり得ます。
おわりに
「妻とは終わっている」という言葉に、正解の受け取り方はありません。信じるか疑うかの二択で考えると、どちらを選んでも苦しくなります。
言葉は言葉として受け取ったうえで、生活が動くかどうかを別に見る。そして、待つ時間に自分の期限を置く。この二つができると、同じ状況でも、少し息がしやすくなるはずです。